【徹底解説】SOC2とは?SaaS企業が取得すべき理由と、効率的な取得・運用ガイド
2026/1/21 09:44
近年、SaaSビジネスの急成長に伴い、顧客(特にエンタープライズ企業)から厳格なセキュリティ管理体制を求められる機会が増えています。そこで世界的なスタンダードとして注目されているのが「SOC2(ソックツー)」です。
本記事では、SOC2の基礎知識、ISO27001(ISMS)との違い、取得のメリット、そして多くの企業が直面する「取得の壁」とそれを乗り越えるための支援の重要性について解説します。
1. SOC2とは?基本概要
SOC2(System and Organization Controls 2)とは、米国公認会計士協会(AICPA)が定めた、受託会社の内部統制(セキュリティや可用性など)を独立した第三者監査人が評価し、その結果を記述した保証報告書のことです。
簡単に言えば、「あなたの会社のサービスは、セキュリティやデータ管理が適切に運用されていますよ」と、外部の専門家にお墨付きをもらうための仕組みです。
特に、顧客の重要なデータを預かるクラウドサービスプロバイダー(SaaS企業)やデータセンター事業者にとって、信頼性を証明するための「パスポート」のような役割を果たしています。
SOC2における2つの「Type」
SOC2には、評価の深さによって2つの種類があります。
種類 | 評価内容 | 特徴 |
|---|---|---|
Type 1 | 時点評価 | 特定の基準日(1日)において、内部統制が適切に設計されているかを評価。 |
Type 2 | 期間評価 | 一定期間(通常6ヶ月以上)にわたり、内部統制が実際に運用され、有効に機能していたかを評価。 |
一般的に、まずはType 1を取得し、その後運用実績を作ってType 2を取得する流れが一般的です。エンタープライズ企業との取引では、より信頼性の高い「Type 2」の提示を求められることがほとんどです。
2. 評価基準となる「5つの原則(TSC)」
SOC2の評価は、TSC(Trust Services Criteria)と呼ばれる5つの原則に基づいて行われます。すべてを網羅する必要はなく、提供するサービスの内容に合わせて選択しますが、「セキュリティ」は必須項目です。
セキュリティ(Security):必須
システムが不正アクセスから保護されているか。
可用性(Availability)
システムが合意された通りに利用可能か(ダウンタイム対策など)。
処理の整合性(Processing Integrity)
システム処理が完全、正確、かつタイムリーに行われているか。
機密保持(Confidentiality)
機密と指定された情報が適切に保護されているか。
プライバシー(Privacy)
個人情報の収集・利用・保管・廃棄が適切に行われているか。
多くのスタートアップやSaaS企業は、まず「セキュリティ」のみ、あるいは「セキュリティ+可用性」で取得を目指します。
3. なぜSOC2が必要なのか?(メリット)
① エンタープライズ企業との取引要件をクリアできる
大企業がSaaSを導入する際、セキュリティチェックは必須です。「SOC2報告書を提出できること」が契約の前提条件(足切りライン)になっているケースが米国だけでなく日本国内でも急増しています。
② セキュリティチェックシート対応の負荷軽減
顧客から送られてくる膨大な「セキュリティチェックシート」への回答作業に疲弊していませんか? SOC2報告書を提出することで、個別の詳細な回答を省略、あるいは代替できる場合があります。
③ 海外展開への必須条件
SOC2は米国発の基準であり、グローバルスタンダードです。将来的に海外進出を考えている場合、ISO27001よりもSOC2の方が信頼の証として通用しやすい傾向にあります。
4. 自力取得は困難?SOC2取得の「高い壁」
「よし、SOC2を取ろう」と決意しても、多くの企業が以下の課題に直面し、挫折したり、本来の業務を圧迫したりしています。
課題1:膨大な工数と専門知識
SOC2の要求事項は多岐にわたり、エンジニアリング、人事、法務など全社的なルール作りと証跡の保存が必要です。
ログの監視体制構築
入退室管理
リスク評価の実施
多数のポリシー文書作成
これらを通常業務を行いながら、社内のリソースだけで完結させるのは至難の業です。
課題2:英語対応の負担
SOC2は米国の基準であるため、ドキュメントや監査人とのやり取りにおいて英語が必要になるケースが多くあります(日本の監査法人を使う場合でも、基準書自体は英語ベースです)。
課題3:監査対応のノウハウ不足
「どこまでやればOKなのか?」の判断基準がわからず、過剰なセキュリティ対策をしてコストが肥大化したり、逆に不備を指摘されて再審査になったりと、効率的な進め方がわからないという悩みが多く聞かれます。
5. 最短・最適ルートで取得するために「取得支援」を活用する
SOC2取得は、ゴールではなく「スタート」です。取得自体にリソースを使い果たしてしまい、肝心のプロダクト開発が止まってしまっては本末転倒です。
そのため、多くの成長企業は「SOC2取得支援サービス」や「自動化ツール」を導入しています。
支援サービスを活用するメリット
社内工数の大幅削減
必要なポリシーの雛形提供や、現状とのギャップ分析をプロが代行。社内担当者は「意思決定」と「実装」に集中できます。
最短ルートでの取得
過不足のない「ちょうどよい」ラインでの統制構築をアドバイス。無駄な作業を省き、スピーディな取得(Type 1なら最短2〜3ヶ月など)を実現します。
継続的な運用サポート
取得後の「Type 2」運用期間や、毎年の更新監査(SOC2は毎年更新が必要)も見据えた、無理のない運用体制を構築できます。
※ただし、取得支援を行っている超大手企業に依頼した場合、年間単位のスケジュールで数千万円から数億円といった見積もりになります。このコストを圧縮することが可能なので是非ご相談ください。
まとめ:SOC2は「信頼」への投資。プロの支援で賢く取得しよう
SOC2は、SaaS企業がさらに上のステージ(エンタープライズ・グローバル)へ進むための強力な武器です。
しかし、その準備プロセスは複雑で負荷が高いのも事実です。「自社だけでなんとかしよう」とせず、専門家の知見や支援ツールを賢く活用することが、結果としてコスト削減とビジネスの加速につながります。
貴社はSOC2取得の準備、できていますか?
「自社に必要なスコープがわからない」
「リソース不足で準備が進まない」
「なるべく短期間で取得したい」
そのようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度弊社にご相談ください。現状の体制から最短で取得するためのロードマップをご提案します。
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